一条ゆかり『砂の城』-Ichijo Yukari-
集英社SGコミックス全3ほか


「人生なんて 砂の城のようなものかもしれないわね
  つくってもつくっても いつの間にか波がさらってしまう
  いつも同じことのくりかえし・・・」


ナタリーは裕福な家庭に生まれ、愛情深い両親、兄妹のように育った愛するフランシスのそばで、幸福な少女時代を過ごした。
しかし、次々と襲ってくる不幸の中、愛する者を最も辛い形で失い、やり場のない思いを抱えて孤独に生きていかねばならなくなる。崩おれそうな彼女の心を支えたのは、愛を奪った憎いはずの少年マルコの、すがりつく小さな手だった。
父と同じくフランシスという名で呼ばれるようになった少年マルコは、引き取ってくれたナタリーを心から慕う。生き生きとして誰からも愛される青年に成長していく彼に、かつて愛したフランシスの影を重ねて戸惑うナタリー。
彼女は心の空洞を埋める術もなく、孤独を恐れ嫉妬に苦しみながら、過去を断ち切れずに生きる。悲しみの中にも、一層透きとおった美しさをたたえて。
ナタリーの失われた愛は何処へ行き着くのか・・・?

長編ラブストーリー。一条ゆかりさんがこんな暗い話を書いていたとは少し意外な感じがしました。涙をさそいます。人は出会いと別れの繰り返し、死は訪れるけれどまた新しい命は生まれ・・・。悲しくもなんとなく未来に希望が繋がっている結末のように思うのですが。どうでしょうか?あまり書きすぎるといけないのでこれくらいで。
集英社漫画文庫などにも。

初出『りぼん』集英社 1977年7月号〜1979年7月号、1980年11月号〜1981年12月号

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