二ノ宮知子『のだめカンタービレ』-Ninomiya Tomoko-
KCキス(2002年〜講談社)1巻〜5巻(以下続刊)
音大に通う有名音楽家の息子・千秋真一の隣に住む1学年下の「のだめ」こと野田恵は、常識を超えたずぼらでマイペースな不思議少女だった。千秋は寄生虫のように寄ってくるのだめに辟易しながらも、その人を魅了するピアノの演奏と隠れた才能に心惹かれている。のだめのピアノの音は、はからずも千秋の音楽に対する情熱をかきたて、彼を一歩一歩尊敬する指揮者・セバスチャーノ・ヴィエラへと近づけていくかのようだ。
クラシック音楽の話だけれどギャグ漫画。テンポがよく、キャラクターが一人一人個性的でとても面白い。ギャグ漫画なのに、そこはかとなく情緒が有る。最初は私も単行本の表紙の絵に惹かれて読み始めたくらいだ。ギャグに笑った後で、毎回なんだか後を引くやりきれなさや切なさを感じたりする、その独特の雰囲気が気に入っている。
クラシック音楽をわかりやすく楽しませてくれるのだめワールド、目が離せない。

初出:『KISS』2001年〜


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2004/4/6更新 inserted by FC2 system