桑田乃梨子『真夜中猫王子』-Kuwata Noriko-
白泉社花とゆめコミックス(全2巻)2000〜2001年
高2の女の子駒音澄(こまね・すみ)は同級生の日向に告白したがあっさり振られてしまった。落ち込んだ澄は日向が去ったその場所で、猫のマスコットが落ちているのを見つけた。
「・・・そういえば、日向はネコが好きだった・・・」
と、澄は思わず拾って持って帰ってしまった。
家に帰って、日が沈んだとたん、なんとそのマスコットがむくむくと動き始め、本物の猫に・・・!なったと思ったら、なんと着ぐるみを脱いで中から王子が現れた!
呪いにかけられた異次元の王子とその側近達の呪いを解くよう依頼された澄は、策略にハメられ何故か彼らの手助けをすることになる。
澄は、日向への思いを断ち切れないものの、それぞれかなり個性的な性格の着ぐるみ猫達や、はっきりきっぱりでも美人の親友凛子、何か勘違いして澄につきまとってくるレアものマニアの委員長などに振り回されつつ、何だか楽しい日々を送ることに。
学園生活はほのぼのしつつ、いろんな落とし穴が有って、二重三重に仕組まれたギャグが最高です。

ストーリーは荒唐無稽ですが、単純に笑えます。コミックスには他の短編もいくつか入っており、「真夜中猫王子」自体は実は結構短い話なんですが、読んでいてかなり充実感が有ります。実は今までのところ(そんなにいくつも読んでいませんが)桑田乃梨子さんの作品の中でこれが一番好きかもしれないと思い、紹介させて頂きました。

それにしてもかわいらしい王子ってば・・・最後は最高にどきどきさせられますよ。 とにかくギャグです。


初出 ・・・『別冊花とゆめ』 2000年2月号〜2001年2月号(白泉社)掲載

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2004/12/30更新 inserted by FC2 system