木原敏江『摩利と新吾』 中公漫画文庫ほか (文庫版で全8巻)
幼なじみの摩利と新吾は私立持堂院高校に入学する。そこには青春の憧れ、友情といった輝かしい日々があり、学び、競い、遊び、よく泣きよく笑う、純朴な青年達がいた。彼らヴェッテンベルク・バンカランゲン(心やさしき野蛮人)の、痛みを伴う成長の軌跡。
長編、プラス短編。木原さんの描く人物は美しく、特に黒髪の美女と金髪の美男がきれいだと思う。どろどろした感情もつらい心情も、くどくなくさらりと描き、だからこそ胸に響くものがある。それは登場人物達の、そして作者自身の、人生への讃歌なのかもしれない。 |