宮脇明子『金と銀のカノン』 -Miyawaki Akiko-
(全3巻) 集英社セブンティーンコミックス 1986年
宮脇明子は私の出会った中で最も面白いサスペンス作家だと思う。中でも私が感動したのがこの作品。
大財閥の一人娘容子は、音楽学校を受験し、天才的なピアノの才能を持つ真澄という少女と出会う。入学を諦めようとしていた真澄を家へ迎え入れ、姉妹のように慕った容子だが、一方で真澄は容子に嫉妬し、自分を不幸にした家族を捨て、ピアノの道を妨げるものはどんな手を使っても排除した。次々起こる事件の中、容子は何があっても真澄を信じ続ける。
性格も身の上も光と影ほど違う2人の心を、詳細に描写し、絶妙な緊迫感の中、意外な方向に物語りは発展していく。恐ろしく、悲しいのは人の心に巣食う不幸である。
はからずも真澄に心ひかれてしまうのは私だけではないはず。そして恐ろしい決断をする容子の心を、あなたは理解できるだろうか・・・?!


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